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双極性障害の『ととさん』

双極性障害Ⅰ型・シングル子育て中・性同一性障害の日々

6年前から

ちょっと長くなる。オチもないので要注意。

 

6年前の今日から、自分は臆病になった。

いや、元々すごい小心者だったのだろう。虚勢を張って生きていた。

それが、東日本大震災で脆くも崩れ去った。

 

あの日、午前中は穏やかな日差しだった。

卒園を目前に控えたムスメは幼稚園へ。

セガレと『ととさん』はうちにいた。

お昼ご飯を食べる頃になると明るいのに暗い、なんとも不気味な空に変わった。

そして、明るいまま激しいにわか雨。

とても気持ち悪い空。

昼寝をするセガレ。

突然、ものすごい地鳴り。

そして大きな揺れ。

縦に横に激しく揺れる。

例えるなら幕の内一歩のデンプシーロールのような動き。

 

はじめの一歩(116) (講談社コミックス)

はじめの一歩(116) (講談社コミックス)

 

 

慌てて階段を降りようとしたら身体が宙に浮いた。

かろうじて手すりを掴んで落ちることは免れた。

吊り下げ式の照明が揺れて天井にぶつかりそうになっていた。

大型のテレビをとっさに押さえたら支えきれず振り回されて飛ばされた。

もう、セガレの上に覆いかぶさることしか出来なかった。

ようやく揺れがおさまったら当時住んでいたオール電化の家は妙に静かになっていた。

全てが止まった。

『ととさん』だけがガクガク震えていた。

電気もつかない。

シャッターも動かない。

水も出ない。

窓から外を見たら、キレイな空に戻っていた。

恐る恐る外に出たら、近所の人たちもいた。

みんな何が起こったのかわからなかった。

どこが震源地なのか、何の情報もない。

そして、近隣みんなオール電化だから何だかみんな静まり返っていた。

 

何も分からないまま、夕方になりムスメを幼稚園に迎えに行った。

町の中は信号も消え、所々、水道管が破裂して湧き水状態。

幼稚園の前にある信号は付いていた。

あれ?うちの方だけ??

何だかさっぱり分からない。

その日、友達のダンナがやっている美容院でムスメは前髪を切ってもらう予約を入れていたので、とりあえず行ってみた。

真っ暗な美容院、暖房も付いてない。

友達のダンナは懐中電灯を握って待っていた。

卒園式前だからキレイにしようね。

とサッと前髪だけ始末。

お祝いだからお代はいいよ。

レジも動かなかったのだ。

その後、うちの至近距離にある今住んでいる実家に行った。

実家には灯油で電気を使わないストーブがあった。

近隣で実家だけが明るく灯っていた。

ストーブの火って明るいんだ。

 

 

実家はオール電化じゃなかったけどガスも止まっていた。

本当に何も出来なかった。

『ととさん』が何故か大鍋で炊いた大根の煮物があったから、それをカセットガスコンロで温めて食べた。

ムスメは獣のようにテーブルの下から出てこず、何も口にしようとはしなかった。

時折、ケータイからビョンビョンビョンと緊急地震速報が鳴る。

その度にストーブを消した。

もう、恐怖だった。

何も分からない恐怖だ。

夜中になり、突然、色んな音がした。

電気が来た!!

すぐにテレビをつけたら、東北の地獄絵図のような映像が入って来た。

画を見て初めて、大変な事が起こってるのを知った。

怖かった。

うちの方は東北の人たちが受けた恐怖と比べると全然マシだけど怖かった。

 

その後も計画停電なんかがあって、不自由な生活を送った。

あの日を境に『ととさん』は、ものすごく精神的にもろくなった。

毎日が怖い。

弱虫なんだ。

いつもビクビクしている。

 

あの時、卒園式を目前にしていたムスメも今は卒業式を目前にしている。

絆婚した『パンダ』の次男坊も今年はパパになる。

みんな前に進んでいる。

『ととさん』は、前に進めずにいる。

 

こんな臆病な自分が嫌いだ。